「炭より熱いぜ!“直火 vs. 遠火”で広がる我が家のBBQワールド」

「バーベキュー」と聞いて、日本人の多くが思い浮かべるのは、カルビやハラミを炭火でジュウジュウと焼き、好みの焼肉ダレをまとわせてサンチュで包む“焼肉スタイル”。
もちろんそれも至福だが、BBQの世界には“直火” と “遠火”という二つの火の使い方が存在し、これを覚えるだけで、庭先の焼肉はレストラン顔負けのステーキへ進化する。
直火
まずは王道の直火。
ポイントは驚くほどシンプルだ。
厚切りこそ正義
肉屋で 3 cm にカットしてもらう。厚いほど内部温度に“猶予”が生まれ、表面はカリッと、中心はジューシーに仕上げやすい。練習としておすすめなのが豚ロース、比較的安価でおいしい。

塩胡椒は“今だ!”のタイミングで
塩は水分を引き出すスピードが早い。焼く前には必ずオリーブオイルを塗って、焼き面に乗せる直前にぱらりと振ると、肉汁流出を最小限に抑えられる。
3 分+3 分×蓋のスチーム効果
250度に温めたグリルに乗せて片面 3 分。蓋を閉じ、160 ℃を超えた表面でメイラード反応を起こすと同時に、内部は水蒸気でふっくら。ひっくり返してもう 3 分、これだけで外は香ばしく、中はほんのりピンクの理想形が完成する。グリルは必ず蓋付きのグリルを選ぼう。

“ミートレスト”で肉汁を落ち着かせる
焼き上げたらアルミホイルで軽く包み、5 分休ませる。肉汁が再分配され、カットした瞬間に流れ出る悲劇を防げる。
豚の場合はコア温度 64 ℃がミディアムレアの目安。あとで紹介するWeberの電気グリル付属の温度プローブを刺せば、皮膚感覚では難しい“絶妙ライン”も失敗しない。
Weber Pulse の恩恵と“煙ゼロ革命”
都市部のベランダや戸建て密集地では、炭より電気グリルが救世主だ。
Weber Pulse はホーロー加工された鋳鉄製焼き網を配置し、炭火に近い輻射熱を再現。それでいて煙はほぼゼロ。さらに内部の温度管理もお任せできる。


「煙が出ない=BBQ じゃない?」と思うかもしれないが、実は オプションのウッドチップボックス をセットすれば軽いスモーク香も加えられる。近所への気兼ねを消しつつ、本格感は失わない“いいとこ取り”だ。

遠火セクションへのブリッジ:次なる挑戦はスペアリブ
直火で手応えを掴んだら、次は 遠火で“長時間低温”の醍醐味を味わおう。
スペアリブを低温で 8 時間。コラーゲンがゼラチン化し、フォーク一振りでほぐれる“スペアリブ”が完成する。
Pulse で簡単に再現可能だ。仕込みさえ済めば、あとは放っておくだけ。週末の家族時間が、香りと共にゆっくりと熟成する。
「炭より熱い週末を。」

さあ、蓋を開けるその瞬間、キッチンにはなかったワクワクが立ち昇る。
その煙こそ、あなたの新しい BBQ ワールドの狼煙だ。